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歌・・・

 

歌が聞こえる

 

この近くである事に間違いはない

 

でも居る場所からは分からない

 

でも歌は確かに聞こえて来る

 

懐かしい歌

 

知っている歌

 

でも少ししか思い出せない

 

確かに昔は全部覚えていた

 

何で思い出せないんだろう

 

「多分それはもう仕舞い込んでしまった歌」

 

誰かが言う

 

声のする方を向いても誰もいない

 

「でも思い出して欲しい」

 

声は続く

 

「それがボクの望みだから」

 

声は終わった

 

 

 

 

頭の上の方で目覚まし時計が鳴っている

その音で目が覚める

「朝か・・・」

龍哉は目覚まし時計を止めて時間を見る

「8時か・・・まぁ、ぼちぼちだな」

そう言って布団から出て顔を洗い朝食を摂る

「部活が無い人は朝ゆっくり起きられて良いわね」

向かいに座っている紗里が皮肉っぽく言う

「俺だって新学期に向けてちゃんと起きてるんだぞ!」

「8時じゃ間に合わないよ・・・あと20分早く起きないと」

「大丈夫、地元の人間しか知らない近道があるから」

「へぇ〜」

紗里は感心しながら龍哉の話を聞いていた

「それにしても紗里、時間大丈夫か?」

その言葉に紗里は時計を見て

「あ〜っ、遅刻しちゃう!!」

そう言って食べかけのトーストと鞄を持って台所を出ていった

「慌ただしいな・・・」

龍哉はそう言ってコーヒーを飲む

すると紗里が帰ってきて

「そう言えばあの駐車場、取り壊されて今はマンションが建っているから通り抜けできないよ」

「なに〜!」

「それじゃあ、行って来ま〜す」

紗里はそう言って家を出ていった

 

自宅に帰ってきてから2週間

龍哉は何もする事がないのでとりあえず紗里の教科書を借りて一応勉強はしていた

とは言っても誰かが教えてくれる訳でもないのでただ眺めるだけなのだが・・・

「案外、難しいな・・・紗里に教えて貰うしかないな」

そう言って机に教科書を置きベッドに横たわる

仰向けになり天井を見ているとふと思い出した事があった

「そう言えば紗里のヤツ『陸上部に入ってる』って言ってたよな・・・」

紗里は高校に入学してから陸上部に入り毎日部活に出ているらしい

今日も部活があり午前中だけらしい

「暇だから観に行ってみるか・・・」

特に用事もなかったので学校まで行ってみる事にした

「この間は変わってないと思ったけど歩いてみると違うものだなぁ〜」

高校までの通学路を1人歩く龍哉

小学校と高校が隣接しているので通学路は一緒であった

しかし時代の流れには逆らえないのか昔とは色々と違うところがあった

「ぐわっ、マジでマンションになってる・・・」

朝食の時に紗里の言っていた通り昔は駐車場だったのに今は立派なマンションが建っていた

昔は駐車場のフェンスを乗り越えれば10分以上短縮できたのだが

マンションがそれを防ぐかの如くそびえていた

「紗里の言うとおりあと20分早く起きよう」

そう納得しながら高校に着いた

 

「紗里は何処だ・・・」

グラウンドの奥の方で走り込みをしている陸上部員を見つけたので紗里を捜す

「あっ、居た」

見つけた先にはスタート地点で順番待ちをしていた紗里が居た

龍哉は近くで見ようと思い近づいていった

そして紗里の番になった

「よーい」

顧問の声に紗里はしゃがむ

「ピー」

笛の音と共に紗里は走り出した

「結構早いな〜」

龍哉が言うとおり女子としては結構俊足であった

ゴールした時の秒針を見ると自分とほぼ互角であった

「なかなかやるな〜」

龍哉は素直に感心していた

 

それから数時間

途中休憩を入れながら部活動は行われ昼過ぎに終了となった

龍哉は紗里を校門のところで待つ事にした

20分後、紗里が数人の女の子達と一緒に校門を出てきた

「あれ?タッちゃんどうしたの?」

「いや・・・ちょっと暇だったから部活しているところ見に来たんだよ」

「そうだったの」

龍哉と紗里の会話を聞いていた他の女の子達は

「それじゃあ紗里、また明日〜」

「うん、さようなら〜」

「彼氏と仲良くね〜」

「彼氏じゃないよ〜」

「嘘ばっかり〜」

「嘘じゃないよ〜」

そう言って他の女の子達は帰っていった

「とりあえず帰るか、腹へったし」

「うん、帰ろ」

2人は朝来た通学路を歩いて帰る

途中、龍哉はさっきの女の子達との事が気になった

「なぁ、さっきマズい事したかな〜」

「え?何が?」

「ほら、紗里の彼氏と間違われたじゃない」

龍哉がそう言うと紗里はうつむいてしまった

「悪かったら謝るよ・・・その・・・別に彼氏とか居たら何だし」

そう弁解する龍哉に

「私は・・・間違えられた事が嬉しかった」

小さな声でそう言った

「え?何だって」

そう聞き返す龍哉に

「ううん、別に良いの」

紗里は明るくそう答えた

「そうか・・・」

龍哉はその笑顔を見て納得していた

 

 

 

 

あとがき

自分で思う・・・甘ったるい

まぁ、「真実は小説よりも奇なり」という言葉もあるからこれで良しとしよう

次回は今度こそ来週あたり?(いい加減仕事中に考えるのは止めないと・・・)

 

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